●カマスサワラ
船上からちょくちょく近づいてくるのを見ることができ、サバ科の魚ですが細長い紡錘形。乗物好きの船長は、「新幹線みたいだ!」と小学生(しかも低学年)並みにはしゃぎます。触れるものはみな傷つけてしまう、カミソリのように鋭い歯。「始めてください」と合図した矢先、一斉にお客さんの仕掛けがぶったぎられることがありますが、それはおそらくコヤツのしわざでしょう。サメと並ぶくらいデンジャラス、要注意です。
そのため、専門にねらうとなると、ハリ先30cmぐらいにワイヤー(金属糸)を使用し、歯による糸切れを防がなければなりません。が、目が良いのか、喰い気のない時だとワイヤー仕掛けにはまったく見向きもせず、そうかといって透明なナイロン糸に変えるとイッパツで喰ってきますが、これまたイッパツで切られてしまう。それぐらい難しい魚です。とはいえ、相手に喰い気のある時は、あっさり喰ってくるので、船長はサワラを見ると、とりあえず仕掛けを放り込んでいます。大きさは小さくても7〜8kg、通常で15kg以上、少し大きめだと20kgをゆうに超え、30kgオーバーにもなるようです。
いったんハリにかかるとものすごいスピードで糸を引き出し、走ったかと思えば(ジェットスキーさながら、釣り糸が水面を切り裂いていきます)、いきなりUターンして、こちらに向かって全速力で泳いでくるので、慣れない釣人は「あ、バレた!」と勘違い。ですが、船長は「巻け、巻け、巻け〜ッ」と大騒ぎ。そうです。糸がたるんだ分を早く巻いて、釣人側が主導権を握らなければ、そのまま船の反対側にまわって竿をへし折られたり、スクリューに糸がからんでイッパツで切れたり…。だから、かけた釣人はサワラについて船の上を走りまわる、大忙しの釣りになります。その上、この魚には激しく首をふり、ハリをはずそうとする習性があるため、決して糸をゆるめないことが最大の注意点。それさえしのげれば、ちゃんと上がってくるでしょう。ただし、取り込みの際はするどい歯に要注意。大ケガの恐れがあるので、そこは船長にお任せましょう。
<食味>
小笠原名物「島ずし」は、この魚を醤油づけにしたものを洋ガラシで握る寿司のこと。他はフライ、ムニエル、バター焼き、もちろん刺身もOKです。 |