●シイラ
本土の方ではゲームフィッシングのターゲットとしておなじみですが、小笠原ではたまに見かける程度。まだ専門にはねらっていませんが、今後可能性のある魚として、現在、調査中です。そのワケを、これから紹介するふたつのエピソードでご説明しましょう。
まずひとつめは、ある日船長が、父島二見湾を出てすぐの浅根周辺を北へ向けて航行中、右舷側に何やらあやしい大群を発見。メタリックなブルーに見えたので、一瞬、ブダイか?と思いましたが、次の瞬間、三日月型の尾っぽを確認。船を急停止し、竿を持って走ったそうです。が、その時は、まにあわせの道具しかなく、対象に投げられる竿はブラックバス用のみ(船にバス竿を積んでいること自体、不思議ですが)。それでも無理矢理、大きなルアーをつけ、群れめがけて投げ込みました。すると、イッパツで喰らいついてきたのですが、ジャンプイッパツであっさり切られた。船長はデッキを叩いて悔しがったそうです。(ちなみに、3mを超えるクロカワカジキが船の下をくぐっていった時も、船長は同じ行動に出ました。もっともこれには、完全無視されたそうですが)。
さらにもうひとつのエピソードは、やはり船長がシイラの群れを発見。その時は、釣り客がルアーを投げましたが反応せず、やむなくサバの切り身をつけてポチョンとやると、喰ってきました。いったんハリがかりすると、20数回も激しくジャンプ。魚体を水上に出し、尾っぽで水面をはじくような「テイルウォーク」を繰り返し、その間に体色を三度も変えたそうです(最初は青白く、そのあと緑に、船縁に寄せたときは黄金色になったそうな)。そのあまりの美しさと大きさ(14kg)に、船長と釣り客はしばし酔いしれ、このサイズがまだまだいると確信。これからの課題として、その姿を強く心に刻み込んだそうな(しかし、釣り上げるとどす黒くなって、さっきまでの美しい姿がウソのようだったと言っていました)。
<食味>
聞いた話ですが、ある料理屋さんでは、ヒラマサの刺身を注文された際、シイラとヒラマサの切り身を混ぜて出すと誰にもわからないそうです。日本ではあまり人気がありませんが、それぐらいおいしいのでしょう。ただ、どちらかというと身が引き締まっていて、少し鶏肉を思わせるような食感なので、バター焼きやソテーなど洋食に向く魚。ちなみに「身質は白身というよりも、むしろ赤身に近い系統ではなかろうか」と船長が申しておりました。ホントかよ。 |